〜広島の心を国連本部へ〜
2008年12月4日(木) 開場 PM 6:00  開演 PM 6:30
ALSOKホール(広島県立文化芸術ホール)
出演/BunKen&ピースアンサンブル パックンマックン

お問合せ
 
長野文憲ギター研究所 こちらへ Tel・Fax
(082) 227-0712

■入場料
指定席 3,500円〈4,000円〉 自由席 2,000円〈3,000円〉

■主催
(社)日本ギター連盟 中国新聞社

後援
広島県/広島県教育委員会/広島市/広島市教育委員会/(財)ひろしま文化振興財団/(財)広島市文化財団/中国放送/広島テレビ/広島ホームテレビ/テレビ新広島/広島エフエム放送/FMちゅーピー76.6MHz

チケット取扱い
デオデオ本店/ヤマハ広島店/福屋広島駅前チケットサロン/RCC文化センター/アルパーク天満屋チケット サロン/電子チケットぴあ
pia.jp/t(Pコード305-142) /中国新聞読者広報センター(082)236-2455*電話予約可
ごあいさつ

 この度、(社)日本ギター連盟・中国新聞社の主催で「ひろしまピースチャリティコンサート」を開催する運びとなりました。
 文憲さんは、昨年十月、ニューヨーク・国連本部オードトリアムにおいて開催されましたアニメ「NAGASAKI・1945アンゼラスの鐘」(虫プロダクション制作)上映会セレモニーでオリジナル「オラシオン〜祈り」「アメージング・グレイス」「千の風になって」を演奏し、その真摯な品位ある演奏は、小寺次郎国連大使ほか国連関係者、国連インターナショナルスクールの子供たちの心に大きな感動を与えました。その模様はインタビューとともに日本テレビ、広島テレビ、テレビ新広島で放送され、その感動は広島に住む私たちにも届けられました。この貴重な体験を機に、広島市民、県民の心を、直接国連に届けようとの思いでピースチャリティコンサートが企画されました。
 出演は文憲さんのほかにNHK英語でしゃべらナイトでお馴染みのパックンとマックン、10名の女性によるピースアンサンブルの皆さんです。会場と出演者が一体となって広島の思い・心を世界に発信するコンサートになるよう願っております。

 文憲さんは長崎で生まれ、広島在住40年のアーティストとして、紡ぎだす音で語りかける平和のメッセンジャーとして益々その活動が期待されるところです。広島発信のピースコンサートとして、今後とも皆様のお力添えとご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

                              社団法人 日本ギター連盟/中国新聞社


《プログラム》

 <第1部>

パックンマックンのトークショー



ホール・ニュー・ワールド

A Whole New World (Aladdin's Theme)  / Alan Menken

ジェラシー*

Tango Tzigane Jalousie (Tango Jalousie, Jalousie) / Jacob Gade

スカボロー・フェア*

Scarborough Fair / Paul Simon & Art Garfunkel

シバの女王*

La Reine de Saba / Michel Laulent

 リベルタンゴ*

Libertango / ?stor Piazzolla


<第2部>

オラシオン〜祈り

Oraci?n〜Prayer / Bunken Nagano

千の風になって*

A Thousand Winds / Man Arai

タンゴ・アン・スカイ

Tango en Ska? / Roland Dyens

ラ・クンパルシータ*

La Cumparsita / Gerardo Matos Rodr?guez

好きにならずにいられない*

Can't Help Falling in Love / Luigi Creatore, Hugo Peretti & George Weiss

ロマンス〜映画「禁じられた遊び」主題曲

Romance(Jeux Interdits) / Antonio Rubira

アランブラ宮殿の想い出

Recuerdos de la Alhambra / Francisco T?rrega



花のワルツ〜バレー組曲「くるみ割り人形」より

Waltz of the Flowers (The Nutcracker Suite, Op.71a: VIII.) / Pyotr Ilyich Tchaikovsky

我が心のアランフェス*

En Aranjuez con tu Amor / Joaqu?n Rodrigo



                        * 長野文憲 編曲 Arranged by BunKen

プロフィール

BunKen (長野文憲)  Guitar
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 16歳より独学でギターを始める。1974年マスタークラスでオスカー・ギリアの教えを受けプロの道へ。1977年30才でエリザベト音楽大学ギターコース入学。卒業後タンゴやフォルクローレ等新しいジャンルを含む独自の世界を追求し続け、1994年ニューヨーク・カーネギーホールに出演。1996年カーネギーホール出演記念のCD『ラ・クンパルシータ』をリリース、同名の編曲集を現代ギター社より同時出版。ロングセラーとなる。その後、音楽の友社ホール、東京オペラシティ、銀座王子ホール、東京芸術劇場ほか広島で毎年リサイタル、コンサートを重ねる。

 1997年吉永小百合の原爆詩朗読と共演。1903年日本文化全面開放に先駆け韓国大邱MBC開局40周年記念番組出演。2005年被爆60周年「世界青年平和音楽祭」にハービー・ハンコック等と出演。同年元NHKアナウンサー加賀美幸子の古典朗読とコラボレーション。翌年NHK放送博物館50周年記念事業に出演。

8月6日ニューヨーク ‘UNIVERSAL PEACE DAY’出演。「いけばなインターナショナル世界大会」創立50周年記念ウェルカムセレモニー(名誉総裁高円宮妃殿下ご臨席)で演奏。2007年6月還暦を迎えコロムビアミュージックエンタテインメントより『千の風になって/長野文憲ギターソロアルバム』でメジャーデビューを果たし、メディアに多数取り上げられる。
8月にはニューヨーク・セントラルパークで、10月には国連本部に招かれ演奏する。

 40年に渡る地道な演奏活動から紡がれる品位ある豊かな音色は「人々の心を和し真実の響き」との評を得「六弦の魔術師」の異名を持つ。放送にも多数出演。CDはNHK「ラジオ深夜便」「あさいちばん」等全国のメディアで放送されている。

 1947年長崎に生まれ、広島市在住40年。現在長野文憲ギター研究所主宰 。(社)日本ギター連盟理事。(社)日本音楽著作権協会会員。'05年広島市市政功労(文化功労)表彰。
URL  http://www.bunken-nagano.com

パックンマックン

 
パックンことパトリック・ハーランと、マックンこと吉田眞の世界で唯一の日米お笑いコンビ。結成12年目を迎え、TV、ラジオなどのレギュラー番組多数。'03にはラスベガスで、'07にはハリウッドで英語漫才のステージが大成功。その模様NHK「英語でしゃべらナイト」スペシャルにてオンエア。「千の風になって/長野文憲ギターソロアルバム」ではパックンが英語詩朗読を担当している。
 現在「英語でしゃべらナイト」(NHK)ほか「福祉ネットワーク」(NHK) 「おもいっきりイイ!!テレビ」(日本テレビ)「大沢悠里のゆうゆうワイド」(TBSラジオ)等にレギュラー出演。パックンは「CNN ENGLISH EXPRESS」(朝日出版社)等に好評連載中。

ピースアンサンブル

後藤明子
(第1ヴァイオリン)
 
広島大学教育学部教科教育学科音楽教育学専修後、ロッテルダムコンセルバトリー学部、引き続き同大学院修了。ヴァイオリンを木村二郎、光永俊彦、市原利彦、ミッシャ・フルマン・角道かほる、室内楽をツヴィ・モシュコフスキー、ミッシャ・フルマンの各氏に師事。在学中よりRotterdams Kamerorkest等の室内合奏団に在籍し、室内楽団員として研鑚を積む。帰国後アカデミー合奏団と共演するなど広島を中心にソロ、アンサンブル、オーケストラの多方面にわたりフリーランスとして活動中である。2006〜2008年 広島大学教育学部音楽科非常勤講師、現在瀬戸フィルハーモニー交響楽団団員。

榎本陽子
(第1ヴァイオリン)
 エリザベト音楽大学卒業、同大学大学院修士課程修了。ヴァイオリンを由居学、口浩二、中村英昭、瀬川光子の各氏に師事。フィジャック室内音楽祭、第38回北九州芸術祭クラシックコンサート、ウィーン国際夏季音楽ゼミナール ファイナルコンサート、鯵ヶ沢ミュージックフェスティバル等に参加、出演。2001〜2006年、エリザベト音楽大学付属音楽園非常勤講師。2007年 ソロリサイタルを開催。現在、後進の指導にあたる傍ら、広島を中心に演奏活動をしている。

曽我部貴子
(第1ヴァイオリン)
 エリザベト音楽大学卒業。
アメリカのニューメキシコ大学修士課程終了。
これまでに野間瑞穂、中村英昭、レナード・フェルバーグ、ベルナール・ズィンクに師事。
現在広島を中心に演奏活動の傍ら後進の指導にあたっている。

後藤絢子
(第2ヴァイオリン)
 広島大学教育学部音楽科卒業。同大学卒業演奏会に出演。
これまで木村二郎、光永俊彦、上月恵、市原利彦、伊藤文乃の各氏に師事。
大学時代よりチェコ、オランダにて研鑽を積む。
現在、広島を中心に演奏活動を行う。「アンサンブル・アッカ」メンバー。
広島県立中高等学校特別非常勤講師。広島交響楽団団員。

豊田絢子
(第2ヴァイオリン)
 広島大学教育学部音楽科卒業。ヴァイオリンを鶴和美、景山誠二、石井志都子、市原利彦、中村英昭、中畝みのりの各氏に師事。98年全日本学生音楽コンクール福岡大会入選。01年広島トヨタアートマネージメント講座で、久保田巧氏の公開レッスンを受ける。08年9月、チェコにてシェフチーク研究会主催の演奏会に出演。多ジャンル音楽集団「ムチャチョス」メンバー。ヤマハPMSヴァイオリン講師。

藤井雅枝
(ヴイオラ)
 
国立音楽大学器楽科(ヴィオラ専攻)卒業。これまでにフリーの演奏家として日本各地のオーケストラや室内楽の演奏会に多数出演。中島睦、渡部啓三、光永俊彦、大野かおるの各氏に師事。広島女学院高校オーケストラ同好会講師。瀬戸フィルハーモニー交響楽団団員。

吉本千恵
(ヴイオラ)
 
エリザベト音楽大学器楽科卒業。ヴィオラを吉江澄夫氏に師事する。現在までフリ―の奏者として様々なオーケストラや室内楽で演奏活動を行う傍ら、後進の指導にもあたっている。2005年よりアコーディオンとのデュオ『ジャバラ・ヴィ』を結成し、幅広く活動中。

末永幸子
(チェロ)
 広島音楽高等学校を卒業。武蔵野音楽大学器楽学科を卒業、同大学大学院修了。卒業演奏会、第25回広島市新人演奏会に出演。08年にマイタウンオーケストラ広響in安芸区で広島交響楽団と共演。チェロを川口文、秋津智承、花崎薫に師事。
あきクラシックコンサート実行委員会委員。ヤマハPMSチェロ講師。

玉理美穂
(コントラバス)
 エリザベト音楽大学卒業。
これまでに徳原正法、長谷川悟、村上満志、池松宏の各氏に師事。
現在、ヒロシマ・バッハ・ソロイスツ団員、ライフワンミュージック講師、エリザベト音楽大学付属音楽園非常勤講師。

山本綾香
(フルート)
 広島音楽高等学校卒業。桐朋学園大学卒業、同研究科修了後、渡仏。アラン・マリオン、ミッシェル・モラゲス、パウル・マイゼン各氏に師事。イタリア、キジアーナ音楽院でオーレル・ニコレ氏に学ぶ。スカラシップ生に選ばれディプロマを取得。スイス、イタリア、フランスでの演奏活動後、帰国。講習会講師、広島交響楽団との共演など広島及び全国各地で演奏活動を行っている。現在、広島音楽高等学校非常勤講師。桐朋学園大学同窓会広島支部長。山本綾香(フルート)


曲目解説

◇ホール・ニュー・ワールド
 『千夜一夜物語』の『アラジンと魔法のランプ』を元にして、1992年にディズニーが製作したアニメーション映画『アラジン』の主題歌・挿入歌。アラジンとジャスミン(プリンセス) が魔法の絨毯に乗って星空の中を飛ぶシーンでブラッド・ケインとレア・サロンガによって歌われている。巻末でレジーナ・ベルとビーボ・ブライソンが歌うデュエット曲『ホール・ニュー・ワールド』は全米No.1の大ヒットになり、第65回アカデミー賞の最優秀オリジナル作曲賞・最優秀オリジナル主題歌賞の二部門を受賞した。

◇ジェラシー
 デンマークのバイオリニスト、ポピュラー音楽の作曲者ヤコブ・ガーデの代表作。『タンゴ・ジェラシー』(または単に『ジェラシー』)として知られ、アルゼンチン製も含めて世界で一番人気があるタンゴの名曲である。1925年に初演されたこの曲は世界的に大ヒットし、100以上の映画の音楽としても使われた。本日演奏されるのは長野文憲がピース・アンサンブルの為に編曲したものである。

◇スカボロー・フェア
 『スカボローフェア』は、16世紀頃のイングランドのブロードサイド・バラッドを源流とする伝統的な民謡。サイモン&ガーファンクルが1966年にリリースしたアレンジ・バージョンが有名だが、「スカボローフェア」のアレンジは、イギリスのフォークリバイバルにおける最も重要なアーティストの一人であるマーティン・カーシーにより生み出されたものである。タイトルにもなっている「スカボロー」とは、イギリス北東部ヨークシャー州にある海沿いの観光地スカボローの事。イギリス中世のジョージア朝やヴィクトリア朝様式をもつ美しい建物が立ち並び、歴史ある文化的な街として毎年多くの観光客を集めている。「フェアー」とは、スカボローで定期的に開かれる市・マーケットを指す。サイモン&ガーファンクルによる「スカボローフェア」のアレンジ・ヴァージョンは、1967年のダスティン・ホフマン主演の映画「卒業」の挿入歌として用いられ、世界的に有名になった。

◇シバの女王
 『シバの女王(サバの女王)』はミシェル・ローラン作曲のシャンソン。フランスのポップ・オーケストラ界の大御所レイモン・ルフェーブルの大ヒット曲として知られている。レイモン・ルフェーブルは1929年、仏北部カレーに生まれ、パリ音楽院でピアノとフルートを学び、首席で卒業。在学中にジャズに親しみ、1956年には自らの楽団を設立した。シャンソンや映画音楽の作曲・編曲にも力を入れ、ポール・モーリアらと共にイージーリスニングと呼ばれる音楽を確立、第一人者となった。日本では特に人気が高く、1972年以降、「レイモン・ルフェーブル・グランド・オーケストラ」を率いて数多くの来日公演をこなしたが、惜しくも今年6月パリ郊外のセーヌポールで死去した。

◇リベルタンゴ
 『リベルタンゴ』は、アルゼンチンの作曲家でバンドネオン奏者のアストル・ピアソラによる1974年の代表曲。ピアソラが自身の新たな活動の場を求めてイタリアに渡った時期の作品である。ジャズやロックの手法を大胆に取り入れ、この時期の前後(60年代および80年代)のピアソラとは全く異なった雰囲気を持っている。ヨーヨー・マの演奏がサントリー・ウィスキーのコマーシャルで使われて以来、日本ではピアソラの最も良く知られた楽曲となった。「リベルタンゴ 」は「リベルタ=自由」というスペイン語と「タンゴ」からピアソラが作った造語。

◇オラシオン〜祈り
 長野文憲のオリジナル作品。1997年テレビ新広島のTV番組「アートな世界」の委嘱作品として、広島市現代美術館所蔵の原爆関連作品、千崎千恵夫「地平線1945」と草間彌生「よみがえる魂」の印象をもとに作曲。それぞれ12月30日、翌2月3日に放映される。「地平線1945」から長崎のアンジェラスの鐘と広島の寺院の鐘の、また「よみがえる魂」から希望のインスピレーションを得、『オラシオン〜祈り』の原形となる。1999年の広島の世界音楽祭「オーガスト・イン・ヒロシマ」で初演。その後も平和を祈る曲として機会を捉えては演奏続けている。2005年「世界青年平和音楽祭」、2006年「UNIVERSAL PEACE DAY」(ニューヨーク・リバーサイドチャーチ)、2007年にはNY国連本部、浦上天主堂等で演奏し大きな反響を得ている。

◇千の風になって
 この曲の原詩は「Do not stand at my grave and weep」という英語圏では良く知られていた詩で、これまで世界中の死者を悼む場で読まれてきた。アメリカ同時多発テロの追悼式にて、テロで父親を亡くした11歳の少女がこの詩を朗読し大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。日本では作家・新井満氏がこの詩と出会い日本語の訳詞と曲をつけ発表。 2003年朝日新聞の「天声人語」で紹介され少しずつ知られるようになってきていたが、2006年にテノール歌手、秋川雅史がNHK紅白歌合戦に出場してこの曲を歌い、年明けから大ブレイクした。なお、これまで原作者は不詳とされてきたが、最新の資料では原作者はメアリー・フライ(Mary Frye、2004年9月15日に享年99歳で亡くなっている。)というアメリカ人女性であることが判明している。

◇タンゴ・アン・スカイ
 題名「タンゴ・アン・スカイ」は直訳すれば「なめし皮のタンゴ」、本場アルゼンチンのタンゴではない「まがいもののタンゴ」(フランス語で「ska?」は、塩化ビニルだとか、偽物の皮のこと)というような自嘲的な意味で名付けられている。1978年のパリ、とあるパーティーでの即興演奏から生まれた作品である。村治佳織がトヨタのCMで弾いたことが、この曲の日本での知名度に大きく貢献した。

◇ラ・クンパルシータ
 タンゴはアルゼンチンの首都ブエノス・アイレスで生まれ育った音楽であるが、ウルグァイの首都モンテビデオも第二のブエノス・アイレスといわれるほどタンゴが愛されていた。この曲は1916年、当時17歳であったウルグァイ人の工科大学生、マトス・ロドリゲスが学園祭の為に書いたといわれている。タイトルの「Cumparsita(クンパルシータ)」とは、イタリア語の「Comparsa(仮装行列)」がなまったもので、「Cumparsita」はその縮小語。タンゴギターの特殊奏法を駆使したギター・ソロへの編曲は、演奏者自身によるもので、1994年ニューヨークで演奏され、絶賛を浴びた。

◇好きにならずにいられない
 エルビス・プレスリー主演の1961年のパラマウント映画「ブルー・ハワイ」の挿入歌。同名主題曲と共にスタンダード・バラードの代表曲になっている。クレアトーレ、ペレッティ、ウェイス3人の共作だが、フランスの作曲家マルティーニの歌曲「愛の歓び(Plaisir d'amour)」をアレンジし、エルヴィス用に作り直したもの。日本ではエルヴィス最高のヒット曲の印象を与えるほどに良く知られているが、ボブ・ディランをはじめ多くのミュージシャンがカヴァーしており、CM、映画のサントラにも多く使用されている。

◇ロマンス
 映画「禁じられた遊び」の主題曲『ロマンス』は一般にはスペイン民謡と思われているが、19世紀後半のスペイン人ギタリスト、アントニオ・ルビーラが書いたギターのための練習曲が原曲。マドリード生まれのギタリスト、ビセンテ・ゴメスが編曲して1941年のアメリカ映画「血と砂」の中で用いている。1952年、ルネ・クレマン監督のフランス映画「禁じられた遊び」の中で名手ナルシソ・イエペスが弾いてから世界的に有名になった。

◇アランブラ宮殿の想い出
 フランシスコ・ターレガは近代スペインの最も卓越したギター奏者、近代的ギター奏法の創始者として知られている。バッハ、ベートーヴェン、アルベニスなどの作品をギター用に編曲し、この楽器に対する認識を高めたことは高く評価されている。「アルハンブラ宮殿の想い出」は、スペインのアンダルシア地方グラナダにあるアルハンブラ宮殿の印象を、ギターに託して描いたものである。ギター特有のトレモロ奏法によって醸し出される、優美かつ華麗な旋律は、ギターがある限り、永遠に消えることはないであろう。

◇花のワルツ
 『花のワルツ』は、ロシアの作曲家ピョートル・イリーチ・チャイコフスキーによるバレエ音楽「くるみ割り人形」の中の1曲。バレエの初演に先立ち、1892年3月19日に初演された。「くるみ割り人形」は、作曲者自身によって2つの演奏会用組曲に改編されており、全8曲からなる第1組曲は、「小さな序曲」にはじまって、「行進曲」「金平糖の精の踊り」などの特徴ある6つの舞曲がならび、フィナーレを飾るのがこの「花のワルツ」である。チャイコフスキーは、生来内気で繊細な神経の持ち主でありながら、音楽に対する情熱と実践を終生つらぬいた作曲家で、独特の親しみ易い、センチメンタルなメロディによって、広く親しまれている。

◇我が心のアランフェス
 スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴが1939年に書いたギターと管弦楽のための『アランフェス協奏曲』、第2楽章『アダージョ』はその哀愁をたたえた美しい旋律から広く知られている。「恋のアランフエス」「我が心のアランフエス」などの通俗名が付けられていることもあるが、ジャズやポップスの分野でも広く取 り上げられ親しまれており、ギル・エヴァンスの編曲を得て1959年に演奏されたトランペット奏者マイルス・デイヴィスのアルバム『スケッチ・オブ・スペイン』のバージョンは特に有名。本日演奏されるのは長野文憲自身の編曲による弦楽合奏バージョンである。

*コンサートの収入の一部を、国連(軍縮部)へ寄付いたします。


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