横浜野毛大道芸フェスティバル参加


日時/2000年4月22日〜23日
友情飛び入り司会/荻野 アンナ
 
長野文憲オン大道芸

 みなさんはクラシック・ギター名手長野文憲氏が大道芸をやったなんて想像できますか?
やりましたよ。昨年の八月六日、広島を訪ねて長野氏に再開し、その玲瓏たるギターの音色を聴いて、横浜野毛の大道芸に出てみませんかと話した。出演料は出ません、投げ銭を腕でとって下さい。
 そしたらギター一挺さらしに巻いて、来ました。柳通りという小路のどじょう鍋屋の前にラジカセに毛が生えたくらいのスピーカーを一つ置いて、隣は手廻しオルガンでシャンソンを歌うフランス女の芸人、客は立ち呑みの生ビールの紙コップを手にした人々の輪の中で、でるわでるわ、「アランフェス」「アルハンブラ」「花祭り」という難曲が超絶技巧の指先にのせて次々に。フランス芸人は「ブラボー」と叫ぶし、中年客がつかつかと近づいて、「兄さん、美空ひばりはやれるかね?」
「できます」と答えて、「悲しい酒」をやっちゃった。すごいのが出ていると評判をとって、その夜、どじょう鍋屋からお座敷がかかり、こんどは流しのギター弾き。文憲さんがカーネギー・ホールに出るというので、本年十月の野毛大道芸には記念して「カーネギー・ホール屋台」を出します。 (作家 平岡正明/93年著)

                                         

柳通り村田屋前のステージで
名物団子屋さんの前で
アンナさん飛び入り司会中

作家平岡正明氏の誘いを受けて'93年に初参加。その熱気と客足を止める快感にはまっています。毎年聴きに来てくれるお客さん(中には一日中聴き続ける人も)、世界レベルのパフォーマー達や日本中からやって来た遊び心の達人たち(特に筒井康隆のクラリネットと山下洋輔のピアニカのセッションは最高でした!)、そしてそれを支えるボランティアのスタッフたち...ここにはステージとはひと味もふた味も違う魅力があります。沢山のいい出逢いがありました。