『高田元太郎公開レッスン&ミニコンサート』

2003年8月30日(土)開場12:30
 【第1部】公開レッスン  13:00 〜16:35
 【第2部】ミニコンサート 16:50 〜17:30

ジミーカーターシビックセンター(広島県甲奴郡甲奴町)
入場料 1000円(高校生以下500円)

「合宿」写真はこちら
【第1部】公開レッスン
    1)J.S.サグレラス/蜂雀
    2)F.タレガ/アラビア風綺想曲
    3)F.ソル/グランソロ
    4)R.ゲーラ/そのあくる日
    5)A.ピアソラ(アサド編)/ブエノスアイレスの春

【第2部】ミニコンサート
   「第1,2旋法によるファンタジア第10番」 (ミラン作曲)
   「皇帝の歌」                (ナルバエス作曲)
   「練習曲/祈り」              (ソル作曲)
   「ドビュッシー讃歌」「粉屋の踊り」     (ファリャ作曲)
   「3つの小品」               (アッセルボーン作曲)
   「あるタンゴ弾きの死に寄せる哀歌」     (プホール作曲)

●曲目解説
第1,2旋法によるファンタジア第10番(ミラン)
 16世紀スペインの作曲家ルイス・ミランはビウエラ(ギターの形をしたスペ
インのリュート)のために<エル・マエストロ>という作品集を残した。ファン
タジアとはその名のごとく作曲家の幻想のおもむくままの即興演奏を綴ったもの
である。ここで言う旋法とは中世の教会旋法のこと。

皇帝の歌(ナルバエス)
 やはり16世紀スペインのビウエラ奏者ルイス・デ・ナルバエスの作品。ジョ
スカン・デプレの歌曲<千々の悲しみ>を器楽用にナルバエスが編曲したもので
ある。名前の由来はスペイン国王カルロスT世が好んだことによる。

練習曲「祈り」(ソル)
 18世紀から19世紀にかけてバロック・ギターは5コース複弦から6コース単
弦、すなわち現在のギターの形状へと変化する。しかし前世紀に引き続き大ホー
ルよりはサロンで演奏されるの機会がほとんどであり、楽器も現代のモダン・ギ
ターよりはこぶりな所謂ロマンティック・ギターが使われていた。フェルナンド
・ソルは<魔笛の主題による変奏曲>で有名な19世紀スペインを代表するギタ
ー奏者兼作曲家であった。当夜演奏する練習曲は宗教的な響きを持つ4声の練習
曲である。

ドビュッシー讃歌、粉屋の踊り(ファリャ)
 <ドビュッシー讃歌>はマヌエル・デ・ファリャ(近代スペイン国民楽派を代
表する作曲家)が書いた唯一のオリジナル・ギター曲。ドビュッシーの死に対し
、フランスの音楽雑誌の求めに応じ、追悼の意も込めて仕上げられた作品。ドビ
ュッシーが愛したハバネラのリズムをもとに、ギターならではの表現がちりばめ
られている。<粉屋の踊り>はそのファリャが書いた2曲のバレエ音楽のうちの
ひとつ<三角帽子>の中の1曲である。フラメンコ音楽のファルーカをベースに
した激しいリズムのギター的な特徴のよく出た楽曲である。

3つの小品(アッセルボーン)
 アッセルボーンはアルゼンチン出身で、チャランゴ、ギターの他にヴォーカル
や作曲家としてその多才ぶりを示している。フォルクローレ・グループ「ロス・
ライカス」のメンバーとしても知られていたが、現在は日本でもソロ活動を行っ
ている。3つの小品は以下のようなタイトルの曲から成っている。<一片の木
>は作者が初めて手にした小さなギターの印象を曲にしたもの。<蜂鳥>はミロ
ンガ・カンドンベのリズムに乗せて蜂鳥が飛び回る様を描き、<ひきがえる>は
雨が上がった後のチャカレーラのリズムに乗せた、その歌声を表現している。

あるタンゴ弾きの死に寄せる哀歌(プホール)
 マキシモ・プホールは1957年、ブエノスアイレス生まれの作曲家。タイト
ルにある「あるタンゴ弾き」とはご存じピアソラのことであり、その死に対し
捧げられた楽曲。第1曲<当惑>は作曲者がピアソラの死を知った時のとまど
いを音に表したもの。そしてピアソラの想い出を綴る第2曲<憂愁>、最終楽
章<エピローグ>はピアソラの有名曲<天使の死>をモチーフにしている。
 
高田元太郎プロフィール
ギターをJ.L.ゴンサレス,A.カルレバーロ,E.フェルナンデス他に師事。
日本国内で第4回スペインギター音楽コンクール優勝の他、海外ではアルハン
ブラ国際コンクール優勝を始め、主要コンクールに上位入賞を果たす。1993
年より4年間、ボリビア国立ラパス音楽院ギター科主任教授を務めた後、199
7年に帰国。
その後精力的に演奏・教授活動を行う。2001年4月,訳書「カルレバーロ:ギ
ター演奏の原理」を出版(現代ギター社)。2001年ソロCD「ブエノスアイレ
スの四季」を発表。以降「エンニオ・モリコーネ室内楽作品集」他、サックス
の大城正司、タンゴ・ヴァイオリンの喜多直毅らのCDにも参加。またアコース
ティック・ユニット“といぼっくす”のメンバーとしてCD「あのころ・・・日
本のマエストロたち」「アストロボーイ・鉄腕アトム〜サウンドトラック」を
リリース。
現在,現代ギター学院クラシックギター科講師。昭和音楽大学ギター科講師。


主催/甲奴町実行委員会 長野文憲ギター研究所
後援/広島県教育委員会 甲奴町教育委員会


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