〜クラシックギターとともに〜


            
♪ 「ラ・クンパルシータ」の演奏法 ♪

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<1小節>
最初の3つの8分音符は括弧とスタッカートの印が付いています。括弧 はp指の爪を使用せずに、腹を使って一度に音を出すと言う意味です。アルペジオに聞こえないように、一気に弾き下ろして下さい。スタッカートが付いていますので、弾き下ろした後、掌で消音します。

<2小節>
1拍目のラスゲアードは、まず右手を軽く握り小指から順番に指を開いていきます。この時、必ず1本ずつ開くように練習をして下さい。小指を開いた時、薬指が付いて来ないように。以下同様です。最後のi指のストロークと同時に、のばした小指と掌(小指側)で消音します。このi指の動作は後に述べるアパガード奏法と同じになります。従ってアパガード奏法の前に、ch,a,m指によるラスゲアードが付いているというイメージになります。

曲中のスタッカートの付いたラスゲアードは全部この方法で演奏して下さい。

2〜4拍目のスタッカートはタンゴ奏法を使用します。

構え方: 右手首を落として、p指と弦がほぼ平行になる様に構えます。ima指はもちろん小指側が弦に触れています。クラシックギターでは絶対にやってはいけないという構え方です。
弾き方: 前述の構え方のまま手首を回転させて和音を弾くと同時に、掌の小指側で消音します。所謂バタヤン奏法です。手首を回転させる時に弦との距離を変えなければ掌の小指側が自然に弦に触れるようになります。これを利用して消音します。

4、6、8、10、12小節のスタッカートはこの奏法で演奏して下さい。

<11小節>
ここは動きが速いのでタンゴ奏法は使いません。ただし音色は前後の小節になるべく近い音で。

<22小節>
三角の印のついた和音がアパガード奏法です。iまたはm指でダウンストロークすると同時に、掌の小指側で消音します。フォークギターの右手によるカッティングと同じ要領です。あくまでも打楽器的な効果 なので、ストロークと消音を同時に行うというイメージで、和音が鳴ってから消音するのではありません。

46小節も同様の奏法です。

<29小節>
タイとスラーが混在しています。前小節の終わりからスラーのついた音符は、左手でたたいて音を出します。リガード奏法です。タイの付いた音符はもちろんそのままです。30小節も同じです。

<32小節>
ここから低音部は親指の腹で弾いてください。コントラバスのイメージです。大切なのは低音の動きなので、和音も正確に記譜通 り鳴らす必要はなく、少なくても多くてもかまいません。和音はAmとE7の2種類です。

<41小節>
ここの和音はふつうのスタッカートです。和音を鳴らしてから止めましょう。43、45小節も同様です。

タンゴを演奏する場合、16分音符は絶対に均等に弾かないで下さい。特殊奏法を使わなくてもタンゴらしく聞かせるコツです。タンゴバンドのバイオリンなどの歌い方を参考にされると良いでしょう。なお、コーダの最後の和音は消え入るように弾きます。(弾かずに省いてしまってもかまいません。)

この曲のポイントは2小節以下のタンゴ奏法なのですが、私と同じ奏法を使わなくてもタンゴらしい音色が出ればそれで良いと思います。アレンジの難易度は中級程度なので、楽しんで演奏して下されば幸いです。