〜クラシックギターとともに〜
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<こんにちは、長野文憲です>

こんにちは、長野文憲です。私のホームページにようこそ。

<その2/表面版>
「掲示板」二畳半の男さんの質問にお答えします。
【Q2】番組紹介に「乾いた板ほどよい」的な表現がありました。ということは古いギターほどよい音がするともいえるのですか?板の中の樹脂・油脂分は杉よりも松のほうが多いでしょうし残りやすいと思いますが、そのあたりの関係はいかがですか?

【A2】木材が乾燥すると水分が取り除かれ、天然樹脂は徐々に結晶化して振動し易くなります。そういう意味では確かに古いギターほど良い音がするでしょうね。良心的な工房では数十年自然乾燥させた材料を使っていますが、私は楽器を演奏し振動を与えることでそれは更に促進されると考えています。ですから使えば使うほど楽器は良くなっていくのです。また、確かに杉よりも松の方が樹脂成分は多いと思います。そのことが杉よりも松の方が弾き込が効くという事に関係しているのかもしれませんね。

【Q3】板の木目と音質の関係はありますか?例えば直目の方が節のある波目より良いとか…

【A3】一般的には美しい柾目の板の方が良いとされており、高級ギターにはほとんどそういう材料が使われています。しかし中には頑なに節目のある材料を使い続けている製作家もいるのです。私の知る限りでは、ヘルマン・ハウザーIIが表面版に節の跡のある材料を使っています。しかも本数も結構多く、どれも素晴らしい作品なので、意図的に使っているとしか思えないのです。これはあくまでも私見ですが、木目のきれいに揃ったものより、節目、或いは虎目の入ったものの方が音が締まっているように感じます。ある若い製作家が私と同じ意見を言っておられるのを聞いたこともありますし、現に私の所有していた楽器の表面版には節の跡がありました。但しこの意見には反対の方も多いと思いますし、全面的に否定されるかもしれません。私の意見は参考程度に、要は見た目に捕われず出てくる音で判断して欲しいっということなのです… (2004/04/03)

<名工・名器>
「掲示板」二畳半の男さんの質問にお答えします。
【Q1】よく「名工」「名器」という表現がありますが、これこそ素晴らしい響きの表現です。何か特別な定義等があればぜひお教え下さい。

【A1】「名工」「名器」には特別の定義はありませんが、万人が認め評価が定着したものに使用されていると思います。世界的な名工は、エルナンデス・イ・アグアド、ヘルマン・ハウザー、イグナシオ・フレタ、ホセ・ラミレス等数え上げればきりがありません。しかし同じ製作家でも製作年代によって差がある場合もあり、名器とは言い難い場合もなきにしもあらずです。名前だけにとらわれて購入することのないようにしなければなりません。絵画やワインと同じですね。日本では溝渕溝五郎氏が彼の著作「カルカッシギター教本」の中で河野賢、野辺正二、峯沢泰三の三氏を日本三大名工として紹介していましたね。残念ながら河野、峯沢両氏は故人になってしまわれました。(ちなみに河野賢氏は現代ギター社の創始者で、ギターの製作のみならず、その普及にも尽力されました。私が東京で活動する切っ掛けを作って下さった大恩人です。)
(2004/02/29)

以下ご参考までに。
『ハウザー一世試奏』(2001/07/15)・『野辺ギター工房訪問』(2003/03/01)

<『ギターソロのためのわが心の演歌1 The ENKA on my mind Vol.1』が出版されます>
現代ギター社から演歌曲集(もちろんギターソロ用です!)全3巻を出版することになりました。田嶌道生、平倉信行両氏と共著です。演奏会のアンコールでさり気なく弾けるかっこいいアレンジをという意気込みで編曲をしていますので、是非弾いてみて下さい。ゲストアレンジャーの福田進一さんの編曲も超お薦めです!
現代ギター社のサマースクールで先行販売をしたいとのことで、〆切に追われ暫く眠れない夜が続きました。編曲がやっと完成した途端序文を依頼され、またまた眠れない夜が続きました。皆さんに愛奏して頂ける曲集になっていることを切に願っています。感想もお待ちしています。(2003/07/21)

●序
「ものの本によると演歌は自由民権思想を普及させる目的で歌い広めた演説歌がその始まりとあります。自由民権運動の後退とともに題材を広く日常生活に求めるようになり、情念の世界を歌う現在の演歌の形が徐々に形成されてされていったと考えられます。昭和初期以降レコードの進出に伴い、演歌は歌謡曲として広く一般に流行、日本の伝統音楽と西洋音楽がミックスした独自の世界を創り上げ、日本独特の音楽として大衆に受け入れられていきます。そして古賀政男が作品の中にギター伴奏を採り入れて以来、ギターは演歌に無くてはならない楽器の一つになりました。
 演歌のメロディーには、歌詞が密接に結び付いています。そしてこれに歌唱が加わりあの独特の世界が作り上げられ私達の心に焼き付いているのです。私達は今回クラシックギターでこの世界に取り組み、膨大な数の演歌の中から100曲余りを選曲し、ギターソロに編曲することになりました。言ってみればギター1本で「歌のない歌謡曲」をやる訳ですから、そこには新しい生命が生まれる必要があります。編曲上最も苦労したのはこの点で、又やり甲斐でもありました。クラシック風あり、ラテン風あり、ジャズ風に或いは原曲に忠実に、各々のアレンジャーが各々のアプローチで編曲しています。曲目は良く知られた曲ばかり、どうぞ楽しんで演奏して下さい。そしてこれが、日本の曲として、演歌世代の人達だけで無く、若い人達や、願わくば世界中の人達に演奏して頂けるようになることを、編曲者一同、心より願っております。」

<工房の柿落としのコンサートのため、野辺正二さんのギター工房をお尋ねしました>
野辺さんは故峯沢泰三、故河野賢と並んで日本三大名工と称された方です。2月15日、野辺さんは入院(胆石の手術)を先送りして待っていて下さいました。工房を見学しながら材料のこと、製作の苦労話、野辺さんのギター製作に対する考え方等いろいろなお話を伺いました。ちなみに「ギターの寿命は?」の問いには「一生です。」という答えが返ってきました。我が意を得たり!最近、寿命が短くすぐ飽きてしまう楽器のなんと多いこと。野辺さんが所有されている、かってレゴンディが使っていたというシュタウファーも弾かせて頂きましたが、とても豊かな低音を持っていて、音色も和音のバランスも素晴らしいものでした。もと溝渕先生がお持ちになってたものだそうですが、かって野辺さんはこの楽器の音を聴いてギター造りを志されたとか。ラベルにはレゴンディのサインが入っており、海外の蒐集家も血眼になって探していたものと伺いました。
2月16日、コンサート当日は生憎の雨にも拘らずほぼ満員のお客さま。折角のギター工房でのコンサートですので曲目によって使用するギターを持ち替えて演奏、好評のうちに無事終了しました。(弦長、弦の張り等がそれぞれ違うため、演奏者にとってはやや大変なコンサートになりました。 飛んだ災難も起きたりして‥‥)アンコールは野辺さんのリクエストで「ラグリマとアデリータ」と「独りアランフェス(野辺さんの言葉です)」を演奏。そして最後に、「悲しい酒」を演奏して幕を閉じました。(美空ひばりさんの遺品のギターは野辺さんが製作されたものだそうです。これを知ったら野辺さんの楽器でひばりを演奏しないわけにはいかないでしょう。お陰で近所のおばさま方に大好評でした。)(2003/03/01)

<九州ギター音楽コンクールの結果が届きました>
11月3日(日)福岡の大博多ホールで行われた「九州ギター音楽コンクール」(九州ギター音楽協会主催)は、当初九州地方のギターコンクールとして出発しましたが、今回で48回を数え、参加者も九州全域はもとより日本全国に及んでいます。近年音楽評論家の濱田滋郎氏を審査委員長に迎え、優勝者が東京国際ギターコンクールに入賞する等、レベルもアップして現在では日本の代表的ギターコンクールのひとつとして定着しつつあります。広島からも毎年若い人たちが応募し優勝も含む好成績を残しています。今年の結果は以下の通りです。

第1位 吉原可奈子(広島)本選自由曲:ロンド・ブリランテOp.2-2(D.アグアド)、第2位 該当者なし、第3位 西尾純平(大阪):パッサカリア(F.ブルクハルト)・溝口伸一(大分):南のソナチネ(M.M.ポンセ)、次席 児玉和明(広島):第7幻想曲Op.30(F.ソル)
本選課題曲:12のプレリュードより任意の曲 3曲(M.M.ポンセ)(2002/11/10)

<山田岳君、日本ギターコンクール3位入賞おめでとう>
9月1日(日)大阪の読売文化ホールで行われた「第29回日本ギターコンクール」(読売新聞社大阪本社、読売テレビ、日本ギター協会主催)で、門下生の山田岳君(エリザベト音楽大学在学中)がブローウェル「舞踏礼讃」ポンセ「南のソナチネ」を演奏して見事第3位に入賞しました。ギタリストとしてまず第一歩を踏み出したことになりますね。本当におめでとう!(ちなみに第1位該当者なし、第2位木村憲司 ディアンス「リプラ・ソナチネ」でした。)

山田君は‘音楽’を表現しようとする意欲を充分に持ち合わせています。このことはプロになるためには最も大切なことです。音楽を表現するためにはテクニックとメカニックの両方が必要ですが(メカニックは運動能力、テクニックはそれを使って表現するための技巧です)、メカニックは今がいちばん伸びる時期ですから、さらなる精進をして表現のテクニックをしっかり身に付け、優勝を狙ってほしいものです。(2002/09/05)

<オスカー・ギリア広島公演、本物の音楽を聴きました>
お盆(安芸門徒の国広島ではお墓参りは特に重要な行事なのです)の初日のためお客さまの出足が心配されましたが、入りはまずまず。丁度マエストロの64歳の誕生日に当たり特に気が入ったのでしょうか、「わたしはあたらしくなります!」と叫びながら舞台に立たれました。演奏は最高の出来で、お客さまは皆ギターの世界の深淵に触れた喜びを胸に大満足してお帰りになりました。

マエストロは非常に気難しくて神経質というのが定評です。28年前私がレッスンを受けた時も、恐い先生だったと記憶しています。後日広島でホームコンサートを開いた折り「付き人」を勤めましたが、神経がピリピリしていて非常に気を使ったことを昨日のように思い出します。

広島着は当日14時27分、タクシー待ちの間に岡山の桃を購入、甘栗にも興味を示し試食用を1個口に放り込んで満足、そのままタクシーでホテルに向かわれました。
会場控え室に用意を指示されたのは、数本のバナナとミネラルウォーターとミルクティー。控え室に着くなりバナナに手を出しておられましたが、後から聞くと「私はゴリラではない」と叫ばれていたとか、おそらくどこに行ってもバナナが置いてあるのでしょう。後片付けの時、ダストボックスには大きな桃の種が残っていました。

翌日原爆ドームと資料館を見学、「食欲が無くなった」と言っておられましたが、お好み焼き(ねぎかけ、もちろん広島風!)をぺろりと平らげご満悦、午後の新幹線で無事大阪に発たれました。(大阪でもバナナが置いてあるでしょうねえ、きっと。)
4回目の来広となる今回は、道を歩いていても鼻歌が出そうなくらいとてもご機嫌で、このツアーで十数キロ痩せたと嬉しそうにお話になっておられました。
28年振りに再びご一緒出来、演奏も最高、至福の2日間でした。
何はともあれオスカー・ギリア広島公演を無事終了。重責を終えほっと一息ついているところです。皆さんのご協力感謝致します。ありがとうございました。(2002/08/16)

<「オスカー・ギリア ギターリサイタル2002」を主催することになりました>
昨年はお陰さまで中国新聞社との共催で、現在世界で最も人気のある「マヌエル・バルエコ」を招聘することが出来ました。昨年の興奮の余韻もまだ残る今年、セゴビア亡き後、現在教授として世界で最も尊敬を集めている「オスカー・ギリア」を招聘することになりました。

彼の教授法は高い評価を受けており、現在第一線で活躍する多くのギタリストが教えを受けています。そのため現在では彼のレッスンを受講することは大変困難と言われていますが、幸運なことに私は'74年マスタークラスを受講しギターの表現力の可能性を教えて頂きました。私をプロの道へ導いて下さった恩師といえます。プロ生活30年を来年に控え、お迎えする機会が与えられたことを大変光栄に思っています。

今回の日本公演のプログラムは正統派のオーソドックスなものですが、マエストロの深い表現力を堪能するには充分すぎるのではないかと思います。全国8か所の全国ツアーが予定されています。広島での演奏がマエストロの心に残るものとなるよう準備を進めて参ります。ご協力の程何卒宜しくお願いします。(2002/07/30)

<遂に新作CD「カンシオン〜天使のミロンガ」が完成しました>
3年振りのCD制作となりました。今回はスタジオから飛び出し、2月の清明な空気の中、響きの素晴らしい軽井沢の教会「追分教会」で録音しました。 第1集『ラ・クンパルシータ』から6年、「デジタル録音でアナログの音を」から始まり、 生のギターの音にこだわり続けて到達したのが、今回の「何も足さない、何も引かない」シンプルなワンポイント収録です。 収録された自然の響きをそのままパッキング、イコライザー処理もしない‘もぎたての音’をお届けします。 臨場感溢れるブンケンサウンドを感じて頂けると自負しています。再生装置に自信のある方、特にお勧めです。 皆さんの感想をお待ちしています。(2002/07/27)

<4月13日(土)高田元太郎さんのセミナー(第1回広島オープンギターセミナー)無事終了しました>
講師の元太郎さんには、早起きしてもらって最後の打ち上げまで、ハードな1日だったと思いますが、広島のギタリスト、ギターを勉強している人たちにとっては、大変貴重な1日でした。見ると聞くでは大違い!「カルレバーロ奏法」を目の当たりにして目から鱗が落ちる思いでした。元太郎さんのセミナーをこれからも続けていきたいと思います。定期的に教えに来て頂くことを計画中です。(2002/04/16)

<横浜のみなさまへ>
毎年大道芸フェスティバルで私のステージを楽しみにして下さっている皆さん、今年4月20、21日は残念ながら広島で「日韓交流の夕べ」開催のため伺えません。大変申し訳ありません。今年はもう横浜に行く機会はないかと思っておりましたが、なんとラッキーなことに、5月6日(日)ヤマハ横浜店でのセミナー出演のお話を頂きました。フロアーコンサートも計画されていますのでこちらに是非ご来店下さい。またその日の夜、小さな会場でライブを計画中です。詳細が決まりましたら最新情報のページに掲載します。おたのしみに!(2002/03/15)

<10月24日大長みかんで有名な豊島を訪れました>
10月24日大長みかんで有名な広島県豊田郡豊島を町民のためのコンサートのために訪れました。午前中に豊小学校を訪問、子供達のために演奏をしました。私自身の子供が小さい頃は、保護者として幼稚園でお母さんのためのコンサートを開いたり、PTAの行事で演奏したりする機会が多かったのですが、最近はそういう機会も遠退いていました。何年ぶりかで子供達の前で演奏しましたが、子供達の反応が直に伝わってきてとても楽しい時間を過ごすことができました。子供達のリコーダーとのアンサンブルも楽しかったですし、特に「千と千尋」のテーマ曲は喜んでくれました。帰りがけに、はにかみながらも車に向かって手を振ってくれた子供たちの目の輝き、今年最も印象に残ったものでした。4年生の皆さんお便りありがとう!(2001/10/28)

<タイムレス・タンゴと題したリサイタルを12月1日開催します(1)>
福田進一さんによると、私は“タンゴおたく”らしい。今回はそのおたくぶりを発揮して古典タンゴからピアソラまで、ついでにブラジルのタンゴと言われるショーロまでやってしまいます。共演は、タンゴ界の重鎮 タンゴギターの河内敏昭さんとバンドネオンの中泉さん、お二人の大ベテランを従えて(?)、時代を超えたタンゴの名曲の数々をお送りする予定です。

ヨーヨーマの「リベルタンゴ」がTVコマーシャルに登場したのをきっかけに、ここ数年ピアソラが作曲者として再認識され、ギターに限らず多くの演奏家が彼の作品を取り上げるようになりました。しかしながらそのほとんどはピアソラを演奏したいのであって、タンゴが好きな訳ではないという気がしていました。
“タンゴおたく”としてはピアソラを生んだタンゴの大きな流れをもっと知ってほしい、その独特のリズム、決して譜面通りには弾かないというその魅力的な歌いまわし、それを理解し、本当にタンゴを好きになったうえで、ピアソラもタンゴの一つの流れであるという考え方でアプローチをして欲しいと思うのです。
最近そういう考え方が本流になりつつあり、ピアソラ以外のタンゴが、モダンなアレンジを施され、だんだん見直されてきているのは嬉しい限りですね。(2001/10/15)

<8月19日(日)東京国際ギターコンクール第一次審査に行ってきました>
今年も応募は世界中から46本、朝11時に始めて、終わったのは夜8時過ぎ。エアコンの調節のきかない部屋で、缶詰め状態で同じ曲の入ったテープを聴き続けるのですから、これは大変な作業(苦行?)です。
審査をしていて感じることは、最近若い人が古典等の所謂クラシックを勉強しなくなってきているということです。今回の課題曲は弾けてない人が多く、審査も大変苦労を致しました。
皆さん、ソルやジュリアーニをもっと勉強しましょう!

また録音の仕方も要注意です。会議録音用の自動録音のマイクの付いたカセットデッキを使うのは止めましょう。デッキが自動的に音量調節してしまうので、フォルテが全て潰れて聞こえます。特にギターはアタック音と余韻から成り立っている音楽なので、それが顕著です。そして、録音に使用した以外のデッキ(ラジカセではなく)で再生、確認してみることをお勧めします。再生してみたら音が全部潰れていた、では泣くに泣けないと思いますが…。

パリ国際ギターコンクールは国営の放送局で録音することが義務付けられていました。そこまでとは言いませんが、やはり国際ギターコンクールに応募するものの心構えとして、録音場所や機材を考慮すべきしょう。今回も蝉の声や、中には電車の音が入っていたのもありましたよ。(2001/08/19)

<7月15日(日)セゴヴィアが使用したハウザー一世を試奏しました>
ヤマハのギターフェアーでセゴヴィアが使用したヘルマン・ハウザー一世を試奏しました。
セゴヴィアの自選アルバムに写真が掲載されているものです。音量も申し分なく、音質、和音のバランス、etc. 何を取り上げても素晴しい楽器でした。特にハウザーの持つ音の品位の高さは、何物にも代え難い魅力です。よく、楽器に教えられると言いますね。この楽器がまさにそうで、セゴヴィアとハウザーが一体となってフレーズの歌い方を教えてくれている…そんな至福の時を過ごすことが出来ました。ちなみにお値段は20,000,000円とか。

その2週間程前ギタルラ社の青柳社長をお訪ねした際、小原安正先生が生前お使いになっていたホセ・ラミレスを見せて頂きました。こちらもなるほどと頷かせる素晴しい楽器でした。
弦は小原先生がお使いになっていたものがそのまま張ってあり、勿論低音弦は変色していましたが、それでも素晴しい音で鳴ってくれました。

「弘法筆を選ばず」ではなく「弘法は素晴しい筆を選ぶ」なのだと実感しました。良い楽器を持つと、その人の歌い方、息遣いなどが変わってきます。皆さんもどうか素晴しい楽器に巡り会って下さい。(2001/07/15)

                      * * *

編曲集の「ミスプリント情報」は各々の曲集のページに移動しました。

次のコーナーでは、これまで最も質問の多かった「ラ・クンパルシータ」の演奏法を取り上げています。文章ではなかなか解り難いところもありますが、不明な点は遠慮なくお問い合わせ下さい。

「ラ・クンパルシータ」の演奏法
<1小節>
最初の3つの8分音符は括弧とスタッカートの印が付いています。括弧 はp指の爪を使用せずに、腹を使って一度に音を出すと言う意味です。アルペジオに聞こえないように、一気に弾き下ろして下さい。スタッカートが付いていますので、弾き下ろした後、掌で消音します。

<2小節>
1拍目のラスゲアードは、まず右手を軽く握り小指から順番に指を開いていきます。この時、必ず1本ずつ開くように練習をして下さい。小指を開いた時、薬指が付いて来ないように。以下同様です。最後のi指のストロークと同時に、のばした小指と掌(小指側)で消音します。このi指の動作は後に述べるアパガード奏法と同じになります。従ってアパガード奏法の前に、ch,a,m指によるラスゲアードが付いているというイメージになります。

曲中のスタッカートの付いたラスゲアードは全部この方法で演奏して下さい。

2〜4拍目のスタッカートはタンゴ奏法を使用します。

構え方: 右手首を落として、p指と弦がほぼ平行になる様に構えます。ima指はもちろん小指側が弦に触れています。クラシックギターでは絶対にやってはいけないという構え方です。
弾き方: 前述の構え方のまま手首を回転させて和音を弾くと同時に、掌の小指側で消音します。所謂バタヤン奏法です。手首を回転させる時に弦との距離を変えなければ掌の小指側が自然に弦に触れるようになります。これを利用して消音します。

4、6、8、10、12小節のスタッカートはこの奏法で演奏して下さい。

<11小節>
ここは動きが速いのでタンゴ奏法は使いません。ただし音色は前後の小節になるべく近い音で。

<22小節>
三角の印のついた和音がアパガード奏法です。iまたはm指でダウンストロークすると同時に、掌の小指側で消音します。フォークギターの右手によるカッティングと同じ要領です。あくまでも打楽器的な効果 なので、ストロークと消音を同時に行うというイメージで、和音が鳴ってから消音するのではありません。

46小節も同様の奏法です。

<29小節>
タイとスラーが混在しています。前小節の終わりからスラーのついた音符は、左手でたたいて音を出します。リガード奏法です。タイの付いた音符はもちろんそのままです。30小節も同じです。

<32小節>
ここから低音部は親指の腹で弾いてください。コントラバスのイメージです。大切なのは低音の動きなので、和音も正確に記譜通 り鳴らす必要はなく、少なくても多くてもかまいません。和音はAmとE7の2種類です。

<41小節>
ここの和音はふつうのスタッカートです。和音を鳴らしてから止めましょう。43、45小節も同様です。

タンゴを演奏する場合、16分音符は絶対に均等に弾かないで下さい。特殊奏法を使わなくてもタンゴらしく聞かせるコツです。タンゴバンドのバイオリンなどの歌い方を参考にされると良いでしょう。なお、コーダの最後の和音は消え入るように弾きます。(弾かずに省いてしまってもかまいません。)

この曲のポイントは2小節以下のタンゴ奏法なのですが、私と同じ奏法を使わなくてもタンゴらしい音色が出ればそれで良いと思います。アレンジの難易度は中級程度なので、楽しんで演奏して下されば幸いです。